
アックスタイムズでは、バイオものづくり関連の技術開発を進めるスタートアップや大企業に焦点を当てた「次世代バイオものづくり企業の技術開発・事業計画 及び 事例集計分析 2025年版」として、[No.1 企業編|米国・欧州]、[No.2 企業編|日本・中国・韓国・台湾・他]、[No.3 集計分析編]の3タイトルを、2025年9月17日にリリースしました。
今回、本調査を担当したリサーチャーに対するインタビューを実施しました。
聞き手:アックスタイムズ株式会社 広報担当
話し手:アックスタイムズ株式会社 調査担当
今回発刊されたレポートのテーマについて
――最初に、今回発刊されたレポートのテーマについて教えてください。
アックスタイムズでは、以前より「バイオものづくり」いうテーマに着目し継続的に調査を実施しています。今回は、具体的な企業の動向を掘り下げた調査を実施しました。
市場を構成する具体的な企業動向を調査
――No.1~No.3と3タイトル発刊されていますが、それぞれの違いを教えてください。
この3つのレポートは、No.1〜No 3という通し番号が示す通り、一連のセット商品として構成されています。
まず、No.1では米国40企業と欧州30企業の計70企業の動向を掲載しており、No.2では、日本50企業と中国・韓国・台湾等の10企業の計60企業の動向を掲載しています。No.3は、「集計分析編」として、No.1とNo.2の全130企業の動向から事業・技術開発事例の全体を俯瞰的に捉えた内容になります。
――市場・政策分析編として今年6月にレポートを発刊していますが、今回のレポートとの違いを教えてください。
「バイオものづくり」というテーマにおいて一連の調査として実施しており、シリーズの一部という位置づけです。
先行して発刊した市場・政策分析編では、市場規模、技術ロードマップ、国・地域別の政策など、バイオものづくり産業を体系的に捉えるための調査を主眼としました。
それに対して、今回発刊した3つのレポートは、市場を構成する具体的な企業にフォーカスして、合計130企業の動向を深掘りしてまとめたものです。

業界を代表する有望130企業を調査
―――今回、企業動向に焦点を当てて調査をされた背景や目的を教えてください。
前回の市場・政策分析編は、バイオものづくり産業を体系的に捉えることが目的でした。そもそもバイオものづくりとは何かという世界観や主要なプレイヤー、そして事業・技術開発を進める上で押さえるべき重要キーワードを網羅的に理解していただくためのレポートです。企業事例も掲載していますが、調査範囲が幅広いため、参入企業の動向を深く掘り下げたい方にとっては、やや物足りないかもしれません。
そこで、お客様のアライアンス戦略や事業/技術戦略の構築といった具体的なご支援まで想定し、バイオものづくり産業における有望企業をリストアップし、具体的な動向を個別に調査しました。
―――本レポートに掲載されている130企業の選定基準を教えてください。
バイオものづくりは近年非常に注目度が高く、多くの企業が参入しています。一方で、巨大市場になりえるポテンシャルを有するものの、現状はまだ成長市場に差し掛かる前の段階にあります。高い関心は集めていますが、参入企業が数千や数万もあるというような段階にはなっていません。
本レポートでは、先行的に市場開拓や技術開発を進めており、なおかつ、市場動向を捉える上で欠かせない業界を代表する有望企業として130企業(スタートアップ90企業、大手企業40企業)を選定しました。
事業・技術開発417事例を調査・分析
――レポート作成にあたって、どのような調査や分析を行いましたか?
各企業を共通の調査項目に沿って調査しました。企業が参入しているバイオ化分野や技術領域の分類など、どの領域で事業・技術開発を展開しているかを明確にしたうえで、事業・技術開発の具体的な事例として、1企業あたりおおよそ3事例(全417事例)も掲載しています。
その他にも、業態、事業計画・目標指標、コア技術、バイオものづくりに取り組む背景、スタートアップ企業については資金調達の動向なども調査項目に盛り込んでいます。
各社の動向一つ一つが興味深い内容ですが、共通フォーマットの設計とすることで、比較や集計分析による情報価値を高めることも意識しました。
――事例を分析して見えてきたものや、特に注目すべきポイントを教えてください。
さまざまなトレンドが見えてきましたが、417事例(米国122事例、欧州94事例、日本169事例、その他32事例)を基にした調査結果として、2つの注目ポイントをご紹介させていただきます。
1つ目は、現在のバイオものづくり市場の分野別のトレンドです。

事業・技術開発417事例に占める該当の比率。1事例につき複数の該当を含む
[バイオ化分野の凡例] 工:工業化学、繊:繊維、食:食品、飼:飼料、農:農業・肥料、化:化粧品、香:香料、医:医薬品、燃:燃料、他:その他、不:不特定
バイオ化分野において事例数が多かったのは、「食品」、「医薬品」、「工業化学」でした。
「食品」と「医薬品」は人体に関わるという共通点があり、この分野は相対的に事例数が多いです。言い換えると、タンパク質に関連する分野の注目度が高く、参入事例も多い状況です。
一方、「工業化学」は自動車部品などの工業製品が主となる領域であり体内に直接入る領域とは方向性が異なります。工業化学がこれまで石油化学をベースにしてきたため、製造・利用工程でのCO2排出という課題がありました。持続可能な産業を目指すうえで、従来のプロセスとは異なるバイオものづくりへの転換が図られています。
消費者に深く関わる食品、医薬品という領域に加えて、工業化学という産業領域でも事例数が多いという点は、興味深いポイントです。
2つ目は、「企業がなぜその事例に取り組んでいるのか」という実施目的・提供価値についてです。

事業・技術開発417事例に占める該当の比率。1事例につき複数の該当を含む
[提供価値・実施目的の凡例] 基礎:基礎的・汎用的な研究、微生物向け原料開発等|大規模:目的物質の生産拡大等|高機能:産生物の高機能化|新機能:新たな機能・価値のある物質の産生|低コスト:低コスト化を図る施策(短納期含む)|その他
今回は、基礎的な研究の範疇に加え、社会実装を想定した大規模化、高機能化、新機能開発、低コスト化といった軸を設定して整理しました。現状は基礎研究の段階も多いですが、大規模化や高機能化に紐づく事例も目立ちました。
ここは重要なポイントで、市場はまだ成長過程にあることは事実ですが、大規模化・高機能化の事例が多いということは、市場への投入や実装を見越した展開が具体化していることを意味します。研究所などの限定的な場面を想定した取り組みではなく、最終消費者への展開を想定した大規模生産や機能向上といった、市場に実装するための取り組みが増えているのです。
この動きからは、「バイオものづくりはまだ先の話」ではなく、いよいよ市場が拡大する段階に入っていくということが読み取れます。
課題は適切なアライアンス先の見極めと事業化までの勝ち筋の確立
――事業を推進していくにあたって、課題はどのようなものでしょうか?
先ほど申し上げたように市場は成長に向かっていますが、多くの壁を乗り越えなければならないのが現状です。その意味で、この領域で各社が事業化を持続可能性をもって目指すためにはいくつかのポイントがあると考えています。
1つ目は、1企業単独ではなく、アライアンス戦略を検討することです。自社の技術をさらに強化できるような、親和性の高いアライアンス先を選定し、タッグを組んで強い推進力を生み出すことが重要になります。そのためには、どの企業が、どのような技術を、どのフェーズとして有しているのかという情報を把握する必要があります。
バイオものづくりの技術開発は多くの場合、スタートアップ企業が担っていますが、表面的な情報だけでは実態は見えてきません。1企業の情報だけでなく、関連企業の動向や横のつながりなどを体系的に把握し、それぞれの具体的な強みを見抜くことが重要になります。バイオものづくりでは有力なスタートアップが海外に多いこともあり、多くの企業にとって最適なアライアンス企業の選定において情報面での課題があるのではと感じています。
2つ目は、自社にとって参入すべきセグメントを分析し、どういった戦略を構築するかという点です。バイオものづくりについて調査を行っている中で、自社にとっての勝ち筋を見極めていくことが難しいという声がよく届きます。どの領域で事業化を図り、マネタイズモデルを構築するのかを判断していくためには、先行して技術開発を行っている企業の実例が重要な情報源となります。なおかつ、目立つ動きをした特定企業に引きずられすぎずに、市場全体の潮流を捉えた見極めが重要です。全体を俯瞰したときに、自社にとっての勝ち筋をいかに見出すかが、この市場で事業推進するうえでの難しさであり、大きな課題だと考えられます。

――今回のレポートには、その課題解決について解決のヒントになるような内容は掲載されていますか?
課題を解決するための情報が詰まっていると考えています。
目立った動きをする特定企業への情報がニュースなどで取り上げられやすいですが、そこに注目しすぎると、市場全体を俯瞰的に捉えることは難しいでし、有望でありながらも見逃してしまう企業が出てきます。今回のレポートでは、特定企業に突出した企業分析ではなく、国・地域、バイオ化分野、技術領域などを鑑みた有望企業を選定・調査しております。そのうえで、欧米の動向を深く知りたい方には[No.1 企業編|米国・欧州]を、まずは国内の優先度が高い方には[No.2 企業編|日本・中国・韓国・台湾・他]をご活用いただくことで、優先度に応じて企業事例を得られます。加えて、市場全体の潮流を把握していくための[No.3 集計分析編]もご用意しています。
今回の調査結果は、130企業417事例という具体的なデータに基づき、国・地域別、スタートアップ・大企業といった企業区分別でトレンドを一挙に捉えることを可能にしており、事業推進・技術開発を図る際に担当者様が直面する課題に対して必要となるであろう情報をお届けすることを目指したものです。
シリーズを通して活用していただくことで高い価値を生み出す
――6月発刊の市場・政策分析編と合わせることでどういった価値が得られますか?
バイオものづくり市場全体を体系的に把握できる市場・政策分析編と、具体的な企業動向を深掘りした今回の3タイトルを組み合わせることで、単独で活用頂くよりも高い価値が得られると考えています。
市場・政策分析編でバイオものづくりに関する全体観、キーワード、市場規模、政策動向といった情報を把握した上で、No1~No3をご活用頂ければ、俯瞰的な情報と、個別具体的な情報の二つの観点で情報を得ることができます。
つまり、一連のシリーズとしてご活用していただくことで、事業を進める上で必要な情報を一挙に、かつ高い解像度で得ることができるとともに、アライアンス戦略や事業/技術戦略といった具体的な戦略作成を推し進める力を得ることに繋がります。
――さらに、一層事業を推進したいご担当者様には、他に支援できるようなオプションはありますか?
NO.3のオプションとして400企業のスタートアップをExcelにまとめたデータをご用意しています。130企業では物足りないというご担当者様に、基本情報、技術キーワード、公式サイトURLなどを掲載したデータをご活用いただくことで、より網羅的に企業を探索できます。
戦略立案を担う部署から高いご関心をいただいている
――今回のレポートを発刊して2週間ほどですが、反響はいかがでしょうか。
大変有難いことに、非常に多くの反響をいただいております。
その中でも2つ感じることがあり、1つ目は市場・政策分析編をご活用いただいているお客様から企業編にご関心を持っていただいていることです。体系的な理解も重要ですが、具体的な企業事例も事業推進・技術開発のためには重要視されていることを感じました。
2つ目は、Excelデータセットを含めたNo.1~No.3のセットをご検討いただく方が多いという点です。国内だけでなく、また海外だけでなく、可能な限り幅広いグローバルな情報から技術テーマやアライアンス先を探索されたいというニーズを感じます。これらの点は、企画時点で目指した方向性ではあるのですが、発刊後の皆様からの反響を感じることで、改めて情報ニーズの高さを実感しました。
――具体的には、どういった企業・部署の方がご購入されているのでしょうか?
ご活用いただいている業界は幅広いです。化学メーカー、医薬品メーカー、食品メーカーといった、バイオものづくりに関わる産業の最終メーカーはもちろんなのですが、酵素・触媒、微生物・細胞、タンパク質、バイオマス原料に関連する事業会社からもご関心をいただいています。バイオものづくりの事業においては、例えば食品メーカーの方が別の分野での展開を検討される動きもあり、そういった意味でもご関心を頂けている企業層の幅広さを感じています。
部署としては、ESGなどの脱炭素・資源循環関連の事業企画部や研究開発部に加えて、技術テーマを探索される新規事業部、アライアンスやオープンイノベーションといった戦略・方針策定を担われるご担当者様からもご関心をいただいています。
全社の未来を担うご部署の方にもご活用いただいており、ここに大きなご提供価値を感じています。
レポートの内容はオンライン面談サービスで確認できる
――今回のインタビュー記事を通じて調査結果に関心を持たれる方がたくさんいらっしゃるかと思います。購入前にレポート内容を確認する手段はありますか?
この調査を担当したリサーチャーとしては、皆様にご関心をいただけることを大変嬉しく思います。
アックスタイムズでは、ご購入をご検討いただける方に、調査を担当したコンサルタント(リサーチャー)とのオンライン面談サービスをご用意しています。
このサービスでは、オンライン会議システムを通じて実際のレポートを画面共有しながら、ご購入前に内容をご確認いただけます。単にレポートが事前に確認できるだけではなく、ご購入を検討されている企業様・部署様がお知りになりたいポイントを踏まえた上で、レポートの活用方法をご案内します。
ご希望の方は、アックスタイムズの専門家が対応させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
以上
注:このインタビューは2025年10月1日に実施されました
聞き手:アックスタイムズ株式会社 広報担当
話し手:アックスタイムズ株式会社 調査担当
この記事の元となる「体系的に整理された調査報告書」について
次世代バイオものづくり企業の技術開発・事業計画 及び 事例集計分析 2025年版
[No.1 企業編|米国・欧州]

発売日
2025年9月17日
体裁
PDF_Slide16:9_144pages
調査・制作
アックスタイムズ株式会社
税込価格
99,000円(税抜90,000円)~
次世代バイオものづくり企業の技術開発・事業計画 及び 事例集計分析 2025年版
[No.2 企業編|日本・中国・韓国・台湾・他]

発売日
2025年9月17日
体裁
PDF_Slide16:9_123pages
調査・制作
アックスタイムズ株式会社
税込価格
99,000円(税抜90,000円)~
次世代バイオものづくり企業の技術開発・事業計画 及び 事例集計分析 2025年版
[No.3 集計分析編]

発売日
2025年9月17日
体裁
PDF_Slide16:9_66pages
調査・制作
アックスタイムズ株式会社
税込価格
99,000円(税抜90,000円)~








